セキスイハイムといえば、誰もが一度は聞いたことのある有名なハウスメーカーだと思います。
ですが、セキスイハイムが他のハウスメーカーとどう違うのかを説明できる方は少ないのではないでしょうか?
正直私たちも家づくりを考え始めるまでは「あったかハイム」のCMをやっているハウスメーカーだなくらいの印象しかなかったです
積水ハウスと区別がついてなかったしね(笑)
この記事では、そんなセキスイハイムの特徴や住宅業界での位置づけなどを詳しく解説していきます。
一人でも多くの方にセキスイハイムに興味を持ってもらえると嬉しいです。
セキスイハイムの特徴
高強度・高耐久のユニット工法
セキスイハイムといえば軽量鉄骨でできたユニット工法が有名です。
鉄骨を使用するハウスメーカーはいくつかありますが、中でもセキスイハイムの鉄骨は高強度・高耐久が特徴です。
通常、鉄骨の柱と梁はボルトで固定されるため、ボルト接合部が構造上の弱点になります。
しかし、セキスイハイムでは柱と梁を溶接して一体の構造にすることでボルト締めよりも遥かに強い強度を実現しています。
また、セキスイハイムの鉄骨は単に固いだけでなく、耐震性も折り紙つきです。
耐震性の実証実験では、阪神・淡路大震災や東日本大震災以上の震度でも損傷しないことが確認されています。
私たちが住んでいる北海道で発生した胆振東部地震や熊本地震など、最近は日本中で大地震が発生しているので、耐震性は最重要項目の一つです
さて、強度の次は耐久性についてですが、鉄骨で一番心配になることは腐食(錆び)ではないでしょうか。
いくら最初の強度が高くても、腐食してしまっては、歪みや亀裂が発生してすきま風が吹くお家になってしまうでしょう。
しかし、セキスイハイムの鉄骨はZAMメッキという特殊なメッキを使用しており、腐食に対してかなり強い構造になっています。
ZAMメッキとは亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)の元素記号の頭文字から取られており、犠牲防食という機能を持っています。
簡単に説明しますと、もし鉄まで届く傷が付いてもメッキの金属が溶け出して鉄を覆うことで、鉄の腐食を防ぐことができるという機能になります。
この機能により、ZAMメッキを施された鉄骨は推定140年の耐久性があるとされています。
柱や梁のような構造躯体は、一度歪んでしまうと修繕にお金がかかり過ぎるので、損傷したらおしまいです。
ですので、高い耐久性があると老後も安心して暮らし続けていくことができるでしょう。
自分の実家も築30年超えだけど、柱が歪んだのか明らかに壁から風が吹き込んできます
冬は寒くて帰りたくないです
余談になりますが、セキスイハイムのユニット工法のさらなるメリットとしては、リフォームで自由に間取りを変えられるというものがあります。
セキスイハイムのユニットは筋交いが必要ないので、壁も床も完全に取り去ることができます。
つまり、2つに分かれていた部屋を1つの大きな部屋にすることもできますし、2階の床を無くして吹き抜けにすることもできます。
ライフスタイルの変化に合わせて、間取りを作り替えることができます。
子供が家を離れたら2階の子供部屋を無くして吹き抜けにしよっかな~
リフォーム費用高そうだけどね(笑)
全館空調「快適エアリー」
セキスイハイムと言えば、「あったかハイム」のCMでお馴染みです。
そして、「あったかハイム」とはつまり快適エアリーが採用された家を指しています。
快適エアリーはセキスイハイムオリジナルの全館空調システムです。
簡単に説明しますと、床下に設置されたエアコンが各部屋に冷暖房の空気を送り、それと同時に換気と空気清浄を行うことで、常に快適でキレイな空気の中で過ごすことができるという代物になります。
快適な室温もキレイな空気もどちらも魅力的なものですが、快適エアリーの一番のメリットはエアコンや空気清浄機を部屋に置く必要がないことで、部屋がスッキリ見えることでしょう。
エアコンは高性能なものほど大きくなりがちで、意外と存在感があります
この他にも快適エアリーのメリットとして、床下空間をエアコンで温めることで床暖房のように足元から暖かいというのがあります。
暖かい空気は冷たい空気よりも軽いので、部屋の上部と下部では意外と温度差があるのですが、床が暖かいと部屋の温度ムラが少なくなり、より快適に過ごすことができるのです。
ちなみにですが、建売だったわが家には快適エアリーは付いていませんでした(代わりにエアコンとパネルヒーターが付いていました)
道外では快適エアリー搭載の建売はよく見かけますが、北海道セキスイハイムの建売ではありません
雪が多すぎて冬は太陽光発電ができない北海道では、電気暖房は高くつくからかな?
太陽光発電推し
セキスイハイムは太陽光発電をかなり推しているハウスメーカーです。
1997年には他社に先駆けて太陽光発電を搭載した家を販売しており、販売実績も2022年には23万棟近くの販売実績があります。
その推しっぷりはセキスイハイムで販売している建売からも明らかで、ほぼすべての建売に太陽光パネルと蓄電池が搭載されているのです。
もちろんわが家にも小容量ではありますが、太陽光パネルと蓄電池が付いていました
また、太陽光発電は先述した快適エアリーとの相性が良い組み合わせになります。
快適エアリーはエアコンと空気清浄機が合わさった電気設備になりますが、全館空調になるため、消費電力が大きいという特徴があります。
しかし、太陽光設備があれば、その容量にも寄りますが快適エアリーの消費電力を補うことができるのです。
光熱費0円で快適な暮らしができるというのは、まさに夢のような話ですね。
高耐久の外壁
セキスイハイムの家はすべてオリジナルの外壁材が使用されています。
この外壁材は特徴的な見た目をしているので、見る人が見ればセキスイハイムの家だとすぐに分かってしまいます。
デザインについては人それぞれ好みがありますが、セキスイハイムの外壁は選択肢が比較的少ないので、外壁の見た目でセキスイハイムNGな人がいるかもしれません。
しかし、このオリジナル外壁にはデザイン以上に機能面で大きなメリットがあるのです。
それは、この外壁が非常に耐久性に優れているということです。
普通の外壁では塗装が10~15年に一回、目地の注入が10年に一回必要なことが多いでしょう。
外壁の作業は足場を組む必要があるので、意外と高くついてしまう補修項目になります。
値段が高いからといって、外壁の補修を先延ばしにすると雨水が壁に入り込み、中の断熱材がダメになってしまうリスクが、、、
断熱材がダメになったら、当然、冷暖房が効きにくくなり、光熱費がたくさんかかることになります
セキスイハイムの外壁材は大きく磁器タイルとレリーフウォールの2つに分けられます。
磁器タイルはメンテナンスフリーの外壁で塗装は不要になります。
一方でレリーフウォールは磁器タイルよりは値段が安いですが、塗装が必要な外壁です。
しかし、塗装が必要と言っても30年に一度でいいのです。
また、外壁だけでなく、目地材も高耐久なものが使用されており、これも30年に一度の交換で済みます。
つまり、セキスイハイムは普通の家よりも2~3倍も外壁補修の頻度が少ない=メンテンナンス費が安いお家なのです。
セキスイハイムの位置づけ
さて、ここまではセキスイハイムの特徴について語ってきました。
さすがは大手ハウスメーカーなだけに高性能な住宅だということは分かってもらえたのではないかと思います。
しかし、高性能なだけなら他のハウスメーカーだって負けてはないですし、比べる内容によってはセキスイハイムよりも良かったりします。
ここからは、他のハウスメーカーと比べた時のセキスイハイムの位置づけについて解説していきます。
価格帯
セキスイハイムは決してローコストメーカーではありません。
鉄骨や耐久性の高い外壁材を使うなど、質にこだわっているだけあり、値段もそれなりにします。
一方で、三井ホームや積水ハウスなどのような高級なハウスメーカーほど高いわけでもありませんので、中価格帯のハウスメーカーと言ってもいいでしょう。
マイナビの調べでは、セキスイハイムの平均坪単価は76万円と大手ハウスメーカーの中では平均的な坪単価となっています。
ちなみに同調べでは、ローコストメーカーで有名なタマホームは平均坪単価44万円、高級ハウスメーカーの三井ホームは115万円という結果でした。
私たちの感覚では、ローコストメーカー<地元の工務店<セキスイハイム<高級ハウスメーカーという感じで、ちょっとお高いけど、背伸びすれば手が届くかなってイメージでした。
ライフサイクルコスト
ユニット工法や外壁に代表されるように、セキスイハイムはメンテナンス費用があまりかからないよう、耐久性の高い資材がよく使われています。
木造ではないので定期的な白アリ対策は必要ありませんし、外壁のメンテナンスも30年に一度で問題ありません。
セキスイハイムのユニット工法は先述したように地震や経年の歪み等にも強く、構造体躯体が劣化しづらいので、大きなメンテナンスが発生するリスクも比較的低いと考えられます。
今は人生百年時代と言われていますので、長く家に住む分、ライフサイクルコストの影響は大きくなります。
耐久性が高いことでライフサイクルコストが安く済むセキスイハイムは長い目で見るとかなり割安になるハウスメーカーだと思います。
設計の自由度
セキスイハイムのユニット工法は強度や耐久性に優れている一方で、設計の自由度が低いことが弱点になります。
ユニットはさまざまなサイズがありますが、どれも直方体でできているので、家の見た目が箱型のシンプルな形になりがちです。
この時点で、輸入住宅や和風建築、邸宅風のようなデザインが好みの方にとってはNGかもしれません。
家の中の空間については、大きなユニットや柱を抜く特殊な工法を採用すれば余計な柱の無い大空間をつくりだすこともできますが、費用が割高になるので注意が必要です。
また、階段やお風呂などの特定の設備はユニットを跨いで設置することができないなどの特殊なルールもあります。
以上のことから、セキスイハイムは自分の思い通りの設計でないと満足できない方にはおススメしづらいハウスメーカーといえるでしょう。
大手ハウスメーカーでは自由設計を強みとしてアピールする会社も多いので、この点がセキスイハイムの一番の弱点かもしれません
セキスイハイムの住宅は箱型になりがちとは言え、箱型の住宅は冷暖房効率が高いことや、坪単価が比較的安いことなど良いこともたくさんあるので、決して悪ではありません
ちなみにわが家はザ・箱型住宅です(笑)
アフターサービス
大手だけあってセキスイハイムのアフターサービスはかなり優れていますが、中でも特筆すべきは60年の長期無料点検でしょう。
60年前後の点検がついていることは大手ハウスメーカーではよくあるのですが、そのほとんどは有料点検だったり、その会社で補修工事を受けることが条件だったりと何だかんだで有料になります。
しかし、セキスイハイムの60年点検は完全に無料です。補修が必要と判断された場合でも、セキスイハイムの関連会社で補修工事を受ける必要が無いのです。
一般的に、ハウスメーカーの補修工事は割高だと言われていますので、補修工事をするなら自分で探した業者に依頼したほうが安く済むと思います
さらに、60年の点検も5年刻み(最初は2年間で3回)で実施されるなど、充実した内容となっています。
5年に一回の間隔で点検してくれるなら、損傷が大きくなる前に対応できるだろうから、メンテナンス費の削減につながるね
まとめ
セキスイハイムはユニットや外壁などに高強度・高耐久の資材を多く使っています。
そこに太陽光設備も組み合わせることで、さらにライフサイクルコストが抑えられる家づくりを得意としてます。
住宅価格そのものは少々お高めですが、長い目で見るとかなり割安になるでしょう。
また、お金の面だけではなく、快適エアリーに代表されるような暮らしを快適にする独自技術もあります。
そんなセキスイハイムの特徴を一言でまとめますと、、、
割安に高水準な安全性と快適さを手にすることができるハウスメーカー
=コスパ最強のハウスメーカー
と言えるでしょう。
唯一の欠点はデザインや間取りの不自由さになりますが、そこをクリアできてしまえば、セキスイハイムはあなたにとって最高の選択肢になるのではないでしょうか。
こちらでは、セキスイハイム関連の記事をまとめていますので、興味があれば是非ご覧ください。
コメント